夢の中の青年

最近、青年の夢をよく見る。
同一人物ではない。雰囲気は似ているがいつもどこかが違う。
自分が青年になっている夢もあれば、青年が登場する夢もある。

青年は、繊細そうで、少し寂しそうで、話を聞いて欲しそうで、一生懸命に話しかけてくる。無碍にするのは可哀想だし、傷つけたくないのだが、正面から受け止めるには、少し戸惑いがある。不器用で、怖がりで、でも希望を捨てていない純粋な若さに、なんとも言えぬ歯痒さや酸っぱさを感じる。

ふと思う。彼は私だ。
私の中にある、希望であり、恐れであり、自由への渇望だ。
長らく置き去りにしていたから、寂しそうだし、怯えてもいる。
それでも「今なら受けれてもらえるかも」と一生懸命にコンタクトしてくれている。

ある夢の中で彼は、ホームで電車待ちをしている私に一生懸命話しかけてくれていた。
私もできるだけ話を聞いているが、彼の勢いに少し押されており、電車がホームに入ってくると、これで切り上げられる、と内心ホッとしながら乗車体制になる。電車に乗り込みながらも彼は話し続けるのだが、気がつくと私だけが電車に乗っていて、彼はホームに取り残されている。「あっ」と思ったが、そこで目が覚めた。

もしまた彼に会うことができたら、彼の話にもう一度耳を傾けてあげたいと思う。
正面から受け止めるのはまだ厳しいけれど、隣に座って窓の外でも眺めながら、ポツリポツリと話してみたい。彼の言葉を受け止めたい。私の中に忘れ去られていた気持ちたち。そのひとしずくを丁寧に受け取ってみたい。

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